術後の診察
ようやく検診。
もう、手術から8日も経ったのかと驚く。
つわりの真っ最中は、あんなにも時間が経つのが遅かったのに、やっぱり仕事してると違う。
毎日忙しすぎて、悲しんだり、落ち込んだりすることもない。
ただときどき、無意識にお腹をなでてしまう。
高いヒールも、タイトスカートも、当たり前のように身につけているのに。
産科の待合室は、お腹の大きな妊婦さんばかりで、もし、お腹の子が何事もなく育っていたら、そろそろつわりも落ち着いていたかな、なんて考えていた。
相変わらず、この病院の待ち時間は長く、考える時間が多すぎて嫌になる。
2時間と少し待たされて、ようやく呼ばれた。
内診とエコーで子宮内の様子を確認。
だらだらと続いている出血は、気にしなくてもよいとのこと。
ただ、子宮の中に、親指大の血の塊があるそうで、それを排出させるために、子宮収縮剤と抗生剤をまた、5日分処方された。
そして、流産の原因は、胎児の染色体異常だと説明された。
『あなたの体や行動に問題があったわけではなく、繰り返すことはないと考えられます。
今回は残念な結果になってしまったけれど、体をしっかり休めたら、次のことを考えていいと思いますよ』
穏やかな先生の言葉に、ぽろっと涙がこぼれた。
また、妊娠できますか?
と聞く私に、先生はやっぱり穏やかに笑ってくれた。
精算時、手術当日に預けていたお金の余分が戻ってきた。
手術費用は、3万ちょっと。
聞いてた額より高いじゃないか!( ゚д゚)
保険屋さんに渡す書類の分と、今回の支払い分で、総額5万弱。
ほんとに、産むための費用だったら、何も痛くないのになぁ…。
ネガティブな自分も顔を出したので、しっかり夕飯作って、気持ちを切り替えよう。
昼顔
ひとりで映画。
ドラマが放送されてた2014年は、まだ、夫とも出会っていなかったし、乃里子に対しても、そんなふうにしがみつかないで、さっさと取るもんとって、別れちゃえばいいのに。とか思ってたけど、実際に自分が結婚してみると、やっぱり奥さん目線で考えてしまう。
ドラマの頃は、なんて嫌な女!って思ってた乃里子の言っていることは真っ当だし、純愛のつもりの2人を責める、私が悪者じゃない!何も悪いことしてないのに!!!っていう言葉が、悲しかった。
盛り上がってる2人の陰で、泣いてる人の気持ちに、しっかりスポットが当たっていたと思う。
結末には呆然だったけど。笑
夫はドラマを見ていないから、誘わなかった。
この人に限って、浮気や不倫なんて、ありえないって思ってるけど、斎藤工を見てたら、真面目な人ほど、道を踏み外したときは怖いなーなんて思ってしまった。
機会があったら、夫に聞いてみよう。
明日は、ようやく術後の検診。
待たされませんように。
術後の夫婦生活
アレなお話です。
稽留流産の手術後、夫婦生活は2週間後から解禁が一般的とのこと。
出血や痛みがないことが大前提で。
今の私は、術後すぐより、出血も痛みも増している状態。
医師からは、激痛や生理2日目くらいの出血があったら、病院に。と指示を受けている。
普段の生理痛は、どちらかというと、腰の鈍痛と貧血がひどく、お腹の痛みはあまり感じない。
けれど今は、ズキズキと下腹部全体が痛むのと、肛門付近がやたら痛む。
1時間弱でナプキンを替えなければいけないくらいに出血もある。
これは病院に行くべき??と悩みつつ、昨夜は夫と2人、ダラダラ過ごしていた。
夫はスキンシップが好きで、一緒にいればとにかくどこかに触れたがる。
キス魔だし、ソファに座っていても、車の中でも手を繋ぎたがる。
お付き合いしていた頃から夜の方も、会えば必ずだった。
私もセックスは好きだし、生理以外の理由で断ったことはない。
ところが、妊娠がわかってからというもの、4週の終わり頃からつわりに悩まされ、背中をさすってくれる手さえもわずらわしく、はねのけていた。
隣に寝ていても、くっつかれるのが嫌で、なるべく距離をとって眠っていた。
流産してしまってからは、また元のようにくっついていられるし、キスをされても嫌じゃなくなった。
でも昨日は、久しぶりにそんな雰囲気だったからか、ちょっとずつ、夫の行為はエスカレート。
性的な触れ方をされれば、子宮に直結するからお腹が痛い。
どう説明したものかと悩みながら、やんわりとストップ。
しかし、どうにも火がついてしまったみたいで、おさまらない。
考えてみれば、10代のカップルか!ってくらいに盛んだった私たちが、4月から一度もしていないのだから、当然か。
妊娠を告げてから今日まで、夫は本当に優しかった。
できることはなんでもしてくれたし、私のわがままにも嫌な顔しないでよく付き合ってくれた。
まったくそんな気分ではないけれど、ここで頑なに拒否してしまうのも胸が痛む。
そういうわけで、昨夜は夫奉仕タイムを。
出血してるし、お腹を圧迫すると痛むから、服も着たままで、おかしな格好だったけど。
夫も満足してくれ、今後の妊活のことなんかも少し話しながら就寝。
こう書くと、いかにも夫が性欲を我慢できないひどいやつのように聞こえるけど、まったくそんなことはありません。笑
妊娠中に夫から無神経な言葉を投げつけられたり、酷い仕打ちを受けると、妻は一生忘れないとよく言うけど、その逆もまた然り。
なんの実感もないだろうに、夫は本当によくしてくれた。
実際にお腹に子を宿した私と、まだ胎動すらなく、初めて見たエコーが亡くなってからの我が子だった夫とでは、温度差があって当たり前だし、妊娠中のことがあったから、寛容でいられる。
どうしたって、あと1週間、夫には耐えてもらわなければいけないから、できることはしてあげようと思う。
なんて。
母子手帳とエコー写真
未開封の妊娠してますバッチと、名前も書いていない母子手帳。
いっしょにもらったいろんな冊子は、どう考えてももう必要ないし、母子手帳の記録はこの先増えるはずもない。
かといって、捨ててしまうのはあまりにも非道な気がして。
(パパママ教室の案内と、妊娠初期の食生活、2018年生まれの赤ちゃんの予防接種の予定表は、さすがに必要ないから処分したけど)
流産を経験した女性たちは、辛くて見えないところに片付けてしまうことが多いらしい。
私はどうしようか。
直視できないほどではないけれど、やっぱり、見えるところには置いておきたくない。
ひとまず、母子手帳ケースからは出して、チェストにしまうことにしよう。
たった4枚のエコー写真は、私だけが覚えていればいい。