稽留流産@手術当日
前日の24時以降から飲食禁止。
術後は麻酔の影響があるので、運転は避けること。
持っていったもの
前明きのパジャマ
(術前の処置、術後、トイレ、点滴をつけたままズボンと下着を脱ぐのが結構大変だったので、丈の長い、ワンピースタイプがオススメ)
サニタリーショーツ
生理用ナプキン 夜用4枚 昼用5枚
靴下
スリッパ
曲がるストロー
(術後、起き上がれないので、寝たまま水分が摂れるストローは絶対あったほうがいい)
充電器
スマホ
文庫本
8:00 夫の運転で病院へ出発
8:45 受付
入院手続きをし、すぐに産科へ。
陣痛室へ通される。
部屋にテレビはなく、水道とベッド、付き添い用の椅子のみ。
コンセントは使用可。
さっそく脱水を防ぐためにブドウ糖の点滴をされる。
500mlを夕方までかけて入れるとのこと。
9:45 血圧と体温を測り、前処置へ。
パジャマに着替えて良いと言われる。
下着の下を通して管は繋がれていたものの、着替えにくかったので、先にパジャマを着ておくべきだった。
サニタリーショーツに履き替え、生理用ナプキンをあててから移動。
これも、事前にやっておけばよかった。
処置室にて。
内診台に乗せられ、エコーで最後の子宮内の確認。
もうこれは、見せてもらえなかったけど、見なくてよかったと思ってる。
前処置は、子宮の入口を開くために細い棒のようなものを入れ、それが徐々に子宮の入口を広げていくという説明。
前情報では、とにかく激痛との体験談が多く、ビビりながら処置を待った。
前情報通り、痛い。
子宮ガンの検診で、細胞を拭うような検査があるけど、その10倍くらい痛かった。
深く呼吸をしてと言われ、一生懸命、息をしたけど、痛い。
激痛で涙が…というほどではないものの、痛っ…と声が出てしまうくらいには痛かった。
処置後は、歩いて部屋に戻れた。
10:00 再び陣痛室
点滴のせいか、やたらトイレが近い。
処置のために入れている細い棒が、排尿時に落ちてしまう可能性があるとのことで、トイレには簡易おまるようなものが設置され、それを使用する。
出血があるかもと説明されたが、手術まで、一度も出血なし。
軽い生理痛のような痛みと違和感があるものの、横にならなければならないほどではなかったので、ベッドを起こして読書。
文庫本を一冊読み終わったところで、腰が痛くなり、横になることに。
私の場合、これが間違いだった。
横になった途端、下腹部に激痛が。
体を起こそうにも起きられない。
元々、生理痛は重い方だけど、一番辛いときの生理痛の、さらに10倍くらい痛い。
夫が、がんばれと手を握ってくれたので、その手にすがりながら、痛い、痛いとうめいてた。
産むための痛みなら、耐えられるけれど…とも思って泣けてきた。
あとあと調べると、陣痛はこの1万倍つらいとの体験談もあって…次、あの痛みを感じるときは、産みの苦しみであってほしいと心から願ってやまない。
痛みで眠ることもできず、助産師さんがお腹を温めてくれるけど、ちっとも効かない…。
ひたすら耐えた。
12:25 夫を食事に送り出す
予定では、12時から手術が始まるはずだったのに、緊急の分娩か、手術があったようでなかなか呼ばれず。
体を起こしている方が楽だと感じ、ベッドを起こしてもらってから、夫には食事に行ってもらった。
15:45 点滴
ブドウ糖の点滴が交換され、違う種類の点滴も入れらる。
ふわっとするかも…との説明。
実際、点滴を入れたら、少しぼんやりして、しばらく眠る。
16:45 実母が来てくれる
起きたら絶対お腹空いてるからね!と、パンやらお菓子やらジュースやらを差し入れてくれ、すぐに帰って行った。笑
いつ手術が始まるかわからなかったため、出るに出られず、夫もお腹を空かせていたので、助かった。
17:00 再び点滴
ようやく、間も無く手術ですと言われる。
5時間押し。
また違う種類の点滴を入れられる。
麻酔で気持ち悪くならないようにとの説明。
肩に、麻酔の効きをよくするための注射。
筋肉注射のため、痛い。
17:20 分娩室へ
タイミング悪く、夫は仕事の電話に。
助産師さんに待ちましょうか?と言われるものの、早く終わらせたくて、そのまま分娩室に移動。
処置室とか、手術室ではなく、分娩室か…と、ぼんやり思う。
テレビで見るような手術台に仰向けに乗せられ、下着とズボンを脱がせてもらい、足を固定。
消毒。
呼吸器をつけられる。
エコーを取りながら、処置しますね、5〜10分くらいで終わりますよ、との説明。
前作の有無を再び聞かれ、では眠くなりますよと麻酔が入る。
ペパーミントのような、サロンパスのような香りがする。
眠くならない。
麻酔をかけてくれていた先生が、処置をする先生にちょっと待ってくださいと声をかける。
眠くないですか?と聞かれる。
はい、まだ意識あります、と答える。
麻酔増やしますね、と言われ、そこから意識なし。
次に気がついたときには、助産師さんにズボンを履かせてもらっているところだった。
ベットに移され、そのまま陣痛室へ戻る。
17:45 少し意識が戻る
起きた?と夫に聞かれ、時計を見てから返事をしたような気がするものの、何を話したかは記憶なし。
頑張ったね、おつかれさまと、声をかけてくれたのは覚えている。
口の中がカラカラで気持ちが悪い。
18:00
トイレに行きたくて目が覚め、助産師さんにトイレに行ってよいか尋ねる。
ぎょっとされ、まだちょっと…と言われるものの、どうにも我慢ができず、懇願。
車椅子に乗せられ、トイレへ。
微妙に出血。痛みなし。
水分を摂る許可が出たので、さっそくアイスティーを飲む。
しばらくカフェインを控えていたため、とても美味しかった。
19:00 術後の診察
歩いて処置室へ。
出血の具合や、子宮内に血液が溜まっていないかを確認。
10分ほどで終わる。
どうやら、私はずいぶん早くに麻酔から覚めたらしく、処置室まで自力で歩けた。
助産師さんには、普通はもっとふらふらしてることが多いんですが…と苦笑いされ…。笑
手術までがあまりに長かったため、早く帰りたい!と思っていたことも手伝っていたのかもしれない。
前処置での痛みが嘘のように、ほぼ痛みがなく、まだ麻酔や痛み止めが効いているのか?と思ってたけど、今、痛くないなら、今後はほとんど痛くないと思うよ、と言われた。
20:00 会計を済ませ、帰路へ
シャワーはNG。
子宮収縮剤と抗生剤が処方される。
現時点で痛みがないのであれば、と、痛み止めの処方はなし。
市販の痛み止めは飲まないこと。
痛みがひどくなったり、出血が多くなったら、すぐに病院に来るよう指示あり。
時間外であったため、5万円を預け、帰宅。
拍子抜けするほど痛みや出血はなく、帰宅して、軽く食事をし、薬を飲んで寝た。
夫もずいぶん心配してくれたけど、精神的なショックもそこまでひどくはなく。
今のところ、徐々に日常に戻りつつある。
来週、もう一度診察を受けにいく予定。
手術前日
明日には空っぽになるお腹に、最後に話しかけた。
つわりがひどいとき、いつもお腹を撫でながら、がんばれーと、赤ちゃんに言っているんだか、自分に言い聞かせてるんだか、わからないけど、そうすると少しましになる気がして、夜中にはいつもそうして話しかけていたから。
またね、とか、またもどっておいでね、とか、そんなことを話しかけながら、お腹を撫でた。
そして、ゆりかごのうた。
毎晩毎晩、歌うと落ち着く気がして、まだ音が聞こえるわけもないお腹の子に歌った。
ああ、本当に最後なんだなあ…
そう思ったら、初めて泣けてきた。
赤ちゃんの異常が見つかり、流産の診断が出て、手術後まで。
私が泣いたのは、この一度きり。
稽留流産の診断
6/5 12:15
夫とともに、病院へ。
相変わらずの混みようで、2時間近く経ってからようやく呼ばれる。
今回も、経腹エコーで確認。
映し出されたのはエコーには、白いかたまり。
あ、暗い穴がない!!
もしかしたら。
奇跡が起きてるんじゃないか。
胸の水は無くなったんじゃないか。
祈るような気持ちだった。
でも、先生から告げられた言葉は、
『心臓が動いてないですね』
ああ、やっぱり。
前日の夜から、ぴたりとつわりがなくなっていたから。
朝から、ヨーグルトが食べられ、昼過ぎになっても気持ち悪さがない。
頭のどこかで、赤ちゃんはもう亡くなっているのかも。
そんなふうに思っていた。
夫が初めて見たエコー画面は、残念ながら、赤ちゃんが亡くなってからのものになってしまった。
診断は稽留流産。
妊娠9週と3日め。
先生から、手術の説明を受け、同意書をもらい、一度待合室へ。
夫は仕事を抜けてきてくれていたので、そこで仕事に戻ってもらうことに。
心電図、血液検査、レントゲンを撮り、帰宅。
市から発行されている補助券を使い、支払いは2000円ちょっとだった。
1週間前の先生の言葉を聞いてから、心のどこかではこうなるのでないかと覚悟ができていたのかもしれない。
涙は出なかった。
診断結果
胎児の胸に水が溜まっている
5/29の健診。
つわりがひどく、すっぴんメガネにマスクという格好で、いつもの病院へ。
通っていた個人病院は、10代の頃から、生理不順でピルを処方してもらっていた病院で、アットホームだし、気さくな先生。優しい看護師さん。
若干、母乳育児と無痛分娩ダメ絶対!な気風が強いところではあるけれど、実妹が甥姪を生んでいたこともあり、安心できる病院だった。
その日の内診は、やたら長かった。
経膣エコーで映される我が子。
前回は、白い塊にしか見えなかったのに、2週間で、その塊がずいぶん大きくなり、心臓の動きまで見えていることに、思わず、おー!と感動。
(前の週は、ここだよと言われても、心拍がよくわからなかった)
心臓の音も、とても大きくはっきり聞こえるようになっていた。
ところが。
いつも丁寧なエコーをしてくれる先生だけど、今回はやたら長い。
しかも、無言。
あれ?え、なに?
戸惑う私に、先生から
『ちょっと気になることがあってね』
拡大されるエコー。
白い塊が二つ。
『こっちが頭。こっちが胴体。普通はこの時期、頭の方が大きくなきゃいけないんだけど…』
どう見ても、大きさは同じだった。
『ここ、わかるかな?』
先生がカーソルで指した胎児には、暗い穴のようなものが見えた。
『胸に水が溜まっちゃってるね』
胸に水?
水ってなんだ?
疑問符が飛んだけど、ひとまずエコーを終え、説明を聞くことに。
胸の水は自然に消えることもあるし、先天的な、何か異常を抱えていることも考えらる。ただ、ここでは詳しいことがわからないから、周産期科のある病院に紹介状を書くことを伝えられ、待合室に戻された。
検索魔の私は、さっそく、スマホで胎児 胸 水と検索。
胎児胸水という病名に行き当たったものの、体験談は、ほとんどが16〜26週の赤ちゃんばかり。
私はまだ8週。
まったく前知識もないまま、紹介された医療センターへと向かうことになった。
午前中に病院に着いたものの、案内できるのは17時以降とのことで一度帰宅。
自宅でも、ひたすら検索魔。
でも、明るいことがほとんど出てこない。
絶望的な気持ちで、診察時間を待った。
妊娠中、本当に私は普段の自分に輪をかけて検索魔だったと思う。
つわりの乗り切り方に始まり、左右の手首の脈拍で胎児の性別がわかるだとか、つわりの種類でお腹の子の異常がわかるだとか、都市伝説じみたものから、保育園の空き状況まで調べ始める始末。
正直、このストレスは計り知れないので、妊婦さんは何事においても検索は控えた方がいい。
今、1人の体に戻ってそんなことをしみじみ思う。
(えらそーに言いながら、きっとまた妊娠すれば検索魔に逆戻りなんだろうな)
つわり
私の妊婦生活は、約1ヶ月で終わってしまったけど、とにかくつわりとの長い長い闘いの日々だった。
4〜6週目は、午前中が辛く、午後に向けて回復していく、という流れ。
6週後半から9週目までは、午前中から昼にかけてはかろうじて動くことができ、15時過ぎからはまるで廃人だった。
常に横になって呻いているか、吐いているか、の、どちらか。
アイスの実がいいと聞けば買いに走り、一口でリバース。やたらジャンクなものが食べたくなり、体に悪い、赤ちゃんごめんとべそべそしながら食べては吐き。
ノンカフェインの麦茶を受け付けず、水すらまずく、何を飲んでも何を食べても、ひたすらに気持ちが悪い。
吐き過ぎて喉が裂け、血を吐いて、また泣いた。
つわりの対処法なんて、結局は、食べられるものを食べたいように食べて、思う存分、吐くのが一番だと思っている。
漢方も点滴も、効きやしない。
流産が確定したとき、赤ちゃんに対する想いよりも、あの長いつわりとの闘いが無駄になったという悔しい気持ちが大きかったことを、ここに白状しておきます。
次の妊娠が待ち遠しくもあり、つわりの恐怖に尻込みする気持ちもかなり大きい。
産みの苦しみを味わっていないから、余計なのかも。